むちうちで頭痛が起こるのはなぜ?交通事故後の頭痛の原因と受診の目安を解説
[ブログ記事監修者]
前原充喜
柔道整復師
オレンジ整骨院グループの前原充喜です。日々の臨床を通して感じることや、ケガ・不調の原因、そして健康を維持するための考え方を、できるだけ分かりやすく発信していきたいと思っています。
私たちオレンジ整骨院グループは「地域の皆さまの健康寿命をのばすこと」「患者様のご卒業」を共通の目標として掲げています。その想いを共有する仲間たちと共に、金町オレンジ鍼灸整骨院・京成金町オレンジ整骨院の現場からも、確かな知識と実践的な情報をお届けしてまいります。

この記事では、むちうちによって頭痛が起こる仕組みをはじめ、後頭部やこめかみなど、痛む場所による特徴、首の動きや姿勢との関係、事故直後ではなく時間が経ってから頭痛が出る理由について詳しく解説します。さらに、むちうち以外に考えられる頭痛の原因や、めまい・吐き気・意識の変化・手足のしびれなど、早急な受診を検討すべき症状についても紹介します。交通事故後の頭痛に不安を感じている方は、受診の判断材料としてぜひ参考にしてください。
※本記事は、「交通事故によるむちうち症は放置NG!整形外科と整骨院の受診方法・治療の流れを6つのポイントで解説」の記事の「むちうち症による頭痛」にフォーカスした詳細版となっております。
むちうちで頭痛が起こるのはなぜ?主な原因を解説
交通事故によるむちうち症では、首の痛みだけでなく、頭痛が現れることがあります。むちうち症は、事故の衝撃によって首が急激に前後へ動かされることで、首周辺の筋肉や靭帯、関節、神経などに負担がかかる状態です。
首と頭は密接に関係しているため、首周辺の組織に生じた損傷や緊張が、頭痛につながることがあります。また、頭痛には一つの原因だけでなく、筋肉の緊張や神経への刺激、自律神経の乱れなどが複合的に関係する場合もあります。
首の筋肉や靭帯、関節への負担が頭痛につながる
交通事故では、衝撃によって首が急激に前後へ動かされます。その際、首を支えている筋肉や靭帯、関節などに大きな負担がかかり、炎症や筋肉の緊張が生じることがあります。
特に首から肩、後頭部につながる筋肉が緊張すると、周囲の血流や神経にも影響し、後頭部から頭全体にかけて重さや、締め付けられるような痛みにつながる場合があります。
事故後に首の痛みや肩こりと同時に頭痛が現れている場合は、首周辺の組織への負担が関係している可能性があります。
首周辺の神経への刺激が頭痛を引き起こす
むちうち症では、首周辺の神経が刺激されることで頭痛が生じる場合もあります。
後頭部には大後頭神経と呼ばれる神経が走っており、この神経が首周辺の炎症や筋肉の緊張などによって刺激されると、後頭部に鋭い痛みや、電気が走るような痛みを感じることがあります。
このような痛みは、単なる肩こりによる頭痛とは異なる特徴を示すことがあります。痛みの場所や性質を確認することは、原因を考えるうえでも重要です。
自律神経の乱れが頭痛に関係することもある
交通事故による首への強い衝撃は、自律神経の働きにも影響を与えることがあります。
自律神経のバランスが乱れると、頭痛だけでなく、めまいや吐き気、ふらつきなどが同時に現れる場合があります。むちうち症に関連して、こうした症状が組み合わさって現れる状態は、バレ・リュー症候群として説明されることもあります。
そのため、交通事故後の頭痛は頭痛だけに注目するのではなく、めまいや吐き気など、ほかの症状がないか確認することも大切です。
首の動きや姿勢によって頭痛が悪化する場合がある
むちうち症による頭痛は、首を動かしたときや首周辺の筋肉に負担がかかったときに強くなることがあります。
事故後は首周辺の筋肉が緊張しているため、長時間のデスクワークやスマートフォンの操作など、うつむいた姿勢を続けることで負担が増す場合があります。
首の動きや姿勢と頭痛の強さに関係がある場合は、無理に首を動かしたり強く揉んだりせず、まず身体の状態を確認することが大切です。
むちうちによる頭痛にはどのような特徴がある?

むちうち症による頭痛は、痛みを感じる場所や痛み方が一つに決まっているわけではありません。後頭部を中心とした痛みのほか、頭全体の締め付け感、こめかみの痛みなどが現れる場合があります。
また、頭痛だけでなく首の痛みや肩こり、めまい、吐き気などを伴うこともあります。症状の現れ方には個人差があるため、交通事故後に頭痛が出た場合は、痛みの特徴と一緒にほかの症状も確認しましょう。
後頭部から頭全体に痛みを感じる
むちうち症では、後頭部を中心に頭全体が締め付けられるような痛みを感じることがあります。
これは、事故によって首や肩周辺の筋肉が緊張することで生じる頭痛の一つです。特に首や肩の筋肉が強くこわばっている場合、後頭部から頭全体にかけて重さや圧迫感を感じることがあります。
事故後に首の痛みと頭痛が同時に現れている場合は、首周辺の状態も含めて確認することが重要です。
後頭部に鋭い痛みが走ることがある
後頭部に突然、鋭い痛みや電気が走るような痛みを感じる場合があります。
首周辺の神経が刺激されることで、このような痛みが生じることがあります。特に後頭部に限局した痛みが繰り返される場合は、痛みの場所や頻度、首を動かしたときの変化などを医療機関に伝えるとよいでしょう。
こめかみがズキズキする場合もある
交通事故後の頭痛では、こめかみがズキズキするように痛む場合もあります。
頭痛の種類によっては、首への負担だけでなく、事故による身体的・心理的なストレスなど、複数の要因が関係していることがあります。そのため、「むちうちだから必ず後頭部が痛む」と決めつけることはできません。
首の痛みや肩こり、めまいなどを伴うことがある
むちうち症では、頭痛だけが単独で現れるとは限りません。首の痛みや肩こり、背中の張りに加えて、めまいや吐き気などを伴うことがあります。
特に事故後に複数の症状が続いている場合は、それぞれの症状をまとめて医療機関に伝えることが大切です。症状がいつから始まったのか、どのようなときに強くなるのかも記録しておくと、状態を説明しやすくなります。
交通事故後に頭痛が遅れて現れるのはなぜ?

交通事故直後には痛みがなかったにもかかわらず、数時間後や翌日になって頭痛が現れることがあります。
事故直後は身体が強い緊張状態にあり、アドレナリンなどの作用によって痛みを感じにくくなる場合があります。また、時間の経過とともに事故による組織への負担や炎症反応が強くなり、後から痛みとして自覚されることもあります。
そのため、「事故直後は何ともなかったから問題ない」と自己判断するのは避けることが重要です。
事故直後は緊張や興奮で痛みを感じにくいことがある
交通事故は身体だけでなく精神的にも大きな負担となります。事故直後は緊張や興奮によって交感神経が活発になり、アドレナリンなどが分泌されます。
こうした反応によって、一時的に痛みを感じにくくなることがあります。事故現場では何ともなかったものの、自宅へ戻って緊張が落ち着いた後や翌日に、首の痛みや頭痛に気づくケースがあります。
炎症反応によって時間が経ってから痛みが強くなる
事故によって首周辺の筋肉や靭帯などに負担がかかると、時間の経過とともに炎症反応が進むことがあります。
そのため、事故直後よりも数時間後から翌日、さらにその後に痛みを強く感じる場合があります。頭痛だけでなく、首の重さや肩の張り、動かしにくさなどが後から現れることもあります。
事故直後に頭痛がなくてもむちうちの可能性はある
事故直後に頭痛がなかったとしても、むちうち症の可能性がなくなるわけではありません。
時間が経過してから頭痛や首の痛みなどが現れることがあるため、事故後の身体の変化には注意が必要です。特に翌日以降に症状が出た場合は、「時間が経ったから事故とは関係ない」と判断せず、交通事故後に現れた症状として医療機関へ相談しましょう。
交通事故後の頭痛はむちうち以外にも原因がある?

交通事故後に頭痛が現れた場合、すべてがむちうち症によるものとは限りません。
頭部を直接打った場合には、脳震盪や脳損傷、脳内出血などが起こっている可能性もあります。また、脳動脈解離や脳脊髄液減少症など、頭痛につながる別の原因が隠れている場合もあります。
そのため、事故後の頭痛が強い場合や、頭痛以外の症状を伴っている場合には、むちうちと自己判断せず医療機関で確認することが大切です。
頭部への衝撃による脳震盪や脳損傷
事故の衝撃で頭部を打った場合、外見上の傷がなくても脳に負担がかかっている可能性があります。
脳震盪などでは、頭痛のほかにめまい、吐き気、意識がぼんやりする、集中しにくいなどの症状が現れることがあります。
頭を打った記憶がある場合や、事故後に普段とは違う頭痛が続いている場合は、首だけの問題と考えず、医療機関で状態を確認することが重要です。
脳内出血やくも膜下出血などの頭部疾患
交通事故後の頭痛では、まれではあるものの脳内出血やくも膜下出血などの可能性にも注意が必要です。
特に、突然の強い頭痛、繰り返す嘔吐、意識状態の変化、けいれんなどがある場合は、緊急性が高い可能性があります。
このような症状がある場合は、整骨院で様子を見るのではなく、速やかに医療機関へ相談する必要があります。
脳動脈解離や脳脊髄液減少症など
交通事故後の頭痛の原因として、脳動脈解離や脳脊髄液減少症などが関係するケースもあります。
これらはむちうちによる筋肉の緊張だけでは説明できない場合があるため、頭痛が長く続く、症状が悪化する、神経症状を伴うといった場合には、医療機関で詳しく確認することが重要です。
心理的な緊張やストレスが頭痛に影響することもある
交通事故は身体だけでなく、精神的なストレスも引き起こします。
事故への不安や緊張が続くことで、首や肩に力が入り、筋肉の緊張を通して頭痛に影響する場合があります。また、事故後の睡眠不足や疲労などが頭痛を強めることもあります。
ただし、頭痛をすべてストレスが原因だと判断するのは避け、まずは身体的な原因がないか確認することが大切です。
交通事故後の頭痛で注意すべき症状と受診の目安
交通事故後の頭痛は、むちうち症によって起こる場合がありますが、頭部や神経に関係する問題が隠れている可能性もあります。
特に、頭痛が強い、時間とともに悪化している、意識や運動機能に変化があるといった場合は注意が必要です。症状によっては救急対応が必要になることもあるため、無理に我慢しないようにしましょう。
激しい頭痛や頭痛が徐々に強くなる場合
事故後に強い頭痛が突然現れたり、時間の経過とともに頭痛がどんどん強くなったりする場合は注意が必要です。
単なる筋肉の緊張による頭痛とは限らないため、特に頭部への衝撃があった場合には、医療機関で確認することが重要です。
めまい・吐き気・嘔吐を伴う場合

頭痛に加えて、強いめまいや吐き気、繰り返す嘔吐などがある場合は、頭部への衝撃などによる問題が隠れている可能性があります。
症状が強い場合や悪化している場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
意識の変化やけいれんがある場合
意識を失った、意識がもうろうとする、反応がおかしい、けいれんがあるといった症状がみられる場合は、緊急性が高い可能性があります。
このような症状がみられる場合は、通常の受診を待つのではなく、救急対応を検討する必要があります。
手足のしびれや力が入りにくい場合
頭痛とともに手足のしびれや、手足に力が入りにくいといった症状が現れた場合は、神経に関係する問題が疑われます。
特に症状が急に現れた場合や左右差がある場合には、早急に医療機関で確認することが重要です。
視覚異常や歩行障害がある場合
物が見えにくい、視界に異常を感じる、歩きにくい、ふらついてまっすぐ歩けないなどの症状が頭痛とともに現れた場合も注意が必要です。
これらは首や肩の筋肉の単純な緊張だけでは説明できない場合があるため、自己判断で様子を見ず、医療機関で検査を受けることが大切です。
交通事故後の頭痛は何科を受診すればいい?

交通事故後に頭痛が出た場合、どの医療機関を受診するか迷うことがあります。
むちうち症が疑われる場合は整形外科が基本的な受診先となります。一方、頭部を打った場合や強い頭痛、意識の変化、吐き気・嘔吐、神経症状などがある場合は、脳神経外科での診察が必要になることがあります。
むちうちが疑われる場合は整形外科を受診する
首の痛みや肩の張りとともに頭痛が現れている場合は、まず整形外科で首の状態を確認してもらうことが重要です。
整形外科では、症状や事故の状況を確認したうえで、必要に応じて画像検査などを行います。また、交通事故によるケガについて医師の診断を受け、診断書などの必要な書類について相談できるのも、医療機関を受診する重要な理由です。
頭部への衝撃や危険な症状がある場合は脳神経外科を受診する
頭部を直接打った場合や、強い頭痛、めまい、吐き気、手足のしびれ、歩行障害、意識の変化などがある場合は、脳神経外科での確認が適しています。
脳神経外科では、頭部の状態を確認するためにCTやMRIなどの検査が行われることがあります。
受診時に行われる主な検査
交通事故後の頭痛では、症状や事故の状況に応じて画像検査や神経学的な検査などが行われます。
レントゲン・CT・MRIによる画像検査
レントゲンは主に骨の状態を確認するために用いられます。CTやMRIでは、必要に応じて頭部や頚椎などの状態をより詳しく確認します。
むちうち症では画像検査で明らかな異常が見つからない場合もあります。そのため、画像だけで判断するのではなく、事故の状況や症状の経過、身体所見などを総合的に確認することが重要です。
神経学的な検査や身体所見の確認
頭痛の原因を確認する際には、痛みの場所や性質だけでなく、しびれや筋力、反射、感覚、歩行状態なども確認されることがあります。
「いつから痛み始めたのか」「どのような痛みなのか」「頭を打ったか」「めまいや吐き気があるか」などを具体的に伝えることで、状態の把握につながります。
整骨院で施術を受ける場合も医療機関での診断を受ける
むちうち症による首や肩の負担に対して、整骨院で施術を受けることもあります。ただし、整骨院ではレントゲンやMRIなどの画像検査や、医師による診断を行うことはできません。
そのため、交通事故後に頭痛が出た場合は、まず医療機関で状態を確認し、そのうえで整骨院での施術を検討することが大切です。
むちうちによる頭痛に対する整骨院での対応
むちうちによる頭痛に対して整骨院では、首や肩周辺の筋肉の緊張、身体の動きなどを確認しながら、状態に合わせた施術を行います。
ただし、交通事故後の頭痛には、むちうち以外の原因が隠れている可能性もあります。そのため、医療機関で必要な検査や診断を受けたうえで、身体の状態に合わせて施術を進めることが重要です。
受傷直後は状態を確認して刺激の少ない施術を行う
交通事故直後は、首周辺に炎症や組織への負担が残っている可能性があります。
そのため、強く揉んだり、首を無理に動かしたりするのではなく、状態を確認しながら刺激の少ない施術を行うことが重要です。必要に応じて特殊な電気施術やアイシングなどを用い、負担の程度に合わせて対応します。
筋肉の緊張や首・肩の動きを確認して施術する
頭痛がある場合でも、頭だけを施術するとは限りません。
首や肩周辺の筋肉の緊張、首の動かしやすさ、身体全体の動きなどを確認し、頭痛につながっている可能性のある身体の負担を考慮しながら施術します。
症状が落ち着いてきた段階では、首や肩の可動域を確認しながら、身体の状態に合わせた調整やストレッチなどを行うこともあります。
整形外科などの医療機関と連携しながら施術を進める
交通事故によるむちうち症では、整形外科などの医療機関で診断を受けたうえで、整骨院で施術を受けることが大切です。
医療機関では診断や画像検査、必要に応じた薬の処方や診断書などの対応を行い、整骨院では身体の状態に合わせた施術や日常生活上のアドバイスなどを行います。
それぞれの役割を踏まえ、必要に応じて医療機関と整骨院を併用することで、身体の状態を確認しながら回復を目指していきます。
強い頭痛や神経症状がある場合は医療機関での確認を優先する
強い頭痛、吐き気、意識の変化、けいれん、手足のしびれ、力が入りにくい、歩行障害などがある場合は、整骨院での施術よりも医療機関での確認を優先する必要があります。
交通事故後の頭痛は、むちうち症によるものだけとは限りません。特に頭部への衝撃があった場合や症状が悪化している場合は、早めに医療機関を受診し、必要な検査を受けることが重要です。
交通事故後に「首は少し痛いだけだから大丈夫」「頭痛は時間が経てば治る」と自己判断せず、症状の変化を注意深く確認しましょう。早い段階で身体の状態を確認することが、その後の適切な対応につながります。



